シロアリの生態について
福岡にも生息するシロアリの自然界での役割
シロアリは世界で約2,900種もいると言われており、森林の中では枯れ木や落ち葉などを食べては森の分解者として物資循環に役立っています。一方でシロアリには人間の住む建物と倒木の違いはわかりません。
シロアリが床下などから蟻道(ギドウ)と呼ばれる通り道を作り住居に侵入をしては柱や床材などの木材を食べていくことがあります。シロアリ自体は形や大きさ、生活様式などアリに似てますが実はアリとは関係がなく、シロアリはゴキブリに近縁な昆虫で、昆虫学でいうとシロアリ目に所属しています。
HCSグループは、
シロアリ被害を未然に防ぐため
テレビ番組に協力しています!
TVQ九州放送「ふくサテ!」
※1一階床面積15坪の一般的な住宅の場合
シロアリの種類について
シロアリは日本で主要な家屋害虫とされているのは4種類で、ミゾガシラシロアリ科(地下シロアリ)のイエシロアリとヤマトシロアリ、レイビシロアリ科(乾材シロアリ)のアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリがあげられます。
イエシロアリについて
関東南部以西の西南日本に分布しているシロアリ。
ここ福岡県でも大変多く被害があるシロアリです。
地中の巣から蟻道を100mも延ばす能力があり、1個の固定巣からの被害は広範である。
水を運びながら木材を湿しながら加害するため、被害は家屋全体におよび甚大、家屋を自分の食物のほか、自らの生活場所とするため穿孔するため侵入してからの加害速度が非常に速い。
IUCN(国際自然保護連合)では世界の侵略外来種ワースト100に指定している。
ヤマトシロアリについて
北海道名寄市からトカラ列島までの日本全域に分布しているシロアリ。
水を運ぶ能力がなく常に湿った木材中で生活をしているため、日当たりが悪く湿気の多い場所に多く生息しています。地面に近い土台や床束、根太、大引などの被害が多いが、床下が湿っている部屋では床板や畳まで加害される場合もあります。雨漏りや雨樋の不良で雨水が流れるところでは、軒先や軸組の上部まで加害されます。
シロアリの社会生活について
シロアリの階級について
シロアリは社会性の発達した昆虫で、地中で産卵に専念する女王・王アリを中心として、餌の採取運搬や巣の構築などをする職蟻、外敵からの防衛に当たる兵蟻が構成員となって、統一性のとれた見事な社会生活を営んでいます。
シロアリの食べ物について
白アリの主要食物は木材ですが、木材の主成分のうち半分を占めるセルロースと4分の1を占めるヘミセルロースを主要な栄養供給源としています。
セルロースの消化には消化酵素セルラーゼが必要ですが、ほとんどの動物にはこの消化酵素を分泌する能力がないのです。
しかしながら白蟻は、後腸に原生動物が共生しているため、この助けにより消化されています。
(脱皮したばかりの個体には原生動物がいなくなり、また卵から孵化したばかりの若齢幼虫にもいません。これらの個体は他の職蟻の腹部を刺激し、肛門から出す排泄物をとおして原生動物を受け取っています。)
建物被害について
白アリは餌とする木材がなくなると、餌場を探して移動する生物です。
床下がコンクリートなどで覆われていても、配管部分の隙間やコンクリートの粒子を少しづつ掘り進み餌となる木材を探しに浸入します。
コンクリート造りの建物はシロアリの被害がないと思われますが、イエシロアリの飼育実験では厚さ5cmの壁がわずが1週間で貫通された記録があるのです。
福岡でも鉄筋コンクリート造りの建物でも木材を求めて侵入し、内装の木材が被害に遭う事例が多くなっています。
森の中では益虫とされているシロアリが餌がなくなったから餌を探しにいったら、たまたま人が住んでいる家だっただけで白アリに悪意はないのですが、大切なお家が白蟻の被害にあってしまう可能性があるのです。しろありが間違って家に浸入しないように定期的な予防工事をお勧めします。