鉄筋コンクリート造でも安心できない
一般的に、木造の住宅で恐れられているシロアリですが、実は鉄骨や鉄筋コンクリートの住宅でも被害を及ぼすと言われています。シロアリは雑食で木柱、まくら木などの木材の他にもコンクリートやプラスチック、ゴム類や皮革類までを加害するため、さまざまな住宅に大きな被害をもたらせる害虫として注意が必要です。また、一匹は非常に小さいのですが、集団になるとかなりの威力があるという特徴があります。さらに驚くべきことに、蟻が通る道を作るためにコンクリートはもちろん、レンガや鉛などにも穴を開けることもあります。そして、多い時には100万匹にも増えますので、もし一匹でも見つけたら注意が必要です。
日本での被害の特徴
住宅を持つ多くの人に恐れられているシロアリは世界各国に生息し、多くの国で大きな被害をもたらしています。被害は周囲に広がることも多くスピードも早いため、敷地面積の大きなアメリカでは街中が被害に遭っているという地域もあります。また、日本国内にはおよそ20種類以上のシロアリが生息していますが、その中で福岡県内にはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類が多く見られます。ヤマトシロアリは、山岳地帯と北海道の北部を除くほぼ日本全国に分布しています。一方、イエシロアリは気候の暖かい九州地方や四国地方を中心として生息しており、関東よりも北の地域にはほとんど見られません。また、ヤマトシロアリは体長約3~5ミリ程度で、集団で行動をする性質があるので少なくとも1万匹以上の集団を形成します。集団には職アリをはじめとして、兵隊アリ、王・女王アリなどがいます。ヤマトシロアリは、主に低い場所に生息しているため、地下から1階部分に被害をもたらすことが多いです。
湿気を好むシロアリ
また、日当たりが悪く湿気の多い場所を好みますので、台所や洗面所、トイレや風呂場などに発生しやすいことが特徴です。イエシロアリの大きさは、ヤマトシロアリよりも少し大型です。また、水を運んで湿気を起こしながら加害するため、ヤマトシロアリよりもさらに家屋における被害が大きく、進行も早いことが特徴となっています。イエシロアリによる被害の多くは天井裏から建物全体にまで及ぶ傾向があり、いずれにしてもシロアリを放置しておくと住宅の土台や柱などを加害していくため、柱が浮いたり傾いたりする可能性があります。したがって、地震や台風などの際に大被害となりやすく、非常に危険です。もし、室内の床がギシギシときしんだり沈んだり、天井に雨染みや雨漏りが見られた場合はシロアリがいる可能性もあります。また、放置していると次第に床や壁にカビが生えてくることもあります。基本的にシロアリはゴキブリやハエのように衛生的に問題があるわけではなく、また蜂のように人を刺すわけではありません。しかし、条件がそろえば住宅を倒壊させる恐れもあるため、シロアリの放置は命に係わるほどの危険となる可能性もあり、とても恐れられています。住まいの強敵と言われるシロアリから大切なマイホームを守るためには、何よりも早期発見が重要なポイントです。
シロアリ薬剤の効果は5年
また、個人で家屋の土台の部分や床下の被害まで発見するには限界がありますので、信頼できる業者に依頼して定期的な白あり調査をすることが確実な手段と言えるでしょう。加えて、予防策としてシロアリが近づかないように防白蟻施工や白アリ防除などをすることも大切です。しかし、そのために使用する薬剤の効果はおよそ5年を目安に作られていますので、シロアリから住まいを確実に守るためには5年ごとに実施することが望ましいとされています。また、防白蟻施工は出来るだけ新築のうちに行っておいたほうが、費用も安く安心です。